特別な趣が漂う羅州の名所との出会い。
歴史と現代文化が織りなす“美”、その美の恵み“ヒーリング”
1000年という歳月の間、漢陽から羅州に来た数多くの牧史(役人)たちが暮らしていた住居が“羅州牧使内衙”である。羅州牧使内衙は、地理的にも明堂(風水上良いとされる場所)とされる。
湖南の要衝且つ穀倉地帯である羅州一帯を管掌した羅州牧史という地位は、朝廷の正3品堂上官が務めていた上職であった。兪昔曽(ユン・ソクチュン)や金誠一(キム・ソンイル)などの、歴代の羅州牧史の中には、善政を施し、“申聞鼓”と言われる民衆の直訴用の鼓を設置するなど、素晴らしい功績を残した人物もいた。従って、民衆からの切望により任期を延長したと語り継がれている。
羅州牧使内衙内は、韓屋の気風が満ちており、夏場でもヒヤッとした寒気を感じる。天井が高く、四面が韓紙貼りになっているために、熱の循環が良く涼しいからである。羅州牧使内衙には、アン房(アンパン:母屋の主になる部屋)、大庁(テチョン:板の間の広間)、コンノン房(コンノンパン:アン房から板の間を介して向かいにある部屋)、台所、チャン房(チャンパン:配膳室)などがあり、周囲には、穀間(コッカン:穀屋)などの付属棟があった。空間構成は、士大夫(儒教的文官官僚)家のアンチェ(母屋)とさほど変わらない。庭には、落雷にも屈せず、数百年もの間、羅州牧使内衙を見守り続ける榎の木がある。現在、羅州市は、この羅州牧使内衙を伝統文化が体験できる宿泊施設として運営、活用している。
羅州牧使内衙宿泊体験
羅州牧使内衙は、朝鮮時代の羅州牧史と言われる中央官史が暮らした住宅である。羅州市は、日本統治時代に毀損した牧使内衙を、“琴鶴軒”という名で全面解体、復元し、伝統文化が体験できる宿泊施設として再生させた。
羅州牧使内衙で宿泊するにあたり、羅州牧使であった兪昔曽(ユン・ソクチュン)と金誠一(キム・ソンイル)、そして榎の木の、3つの物語を知っておく必要がある。羅州牧使、兪昔曽(ユン・ソクチュン)と金誠一(キム・ソンイル)は、善政を施した牧史として名声が高かった。牧使内衙の兪昔曽(ユン・ソクチュン)部屋と金誠一(キム・ソンイル)部屋は、1年を通して客足が絶えることがない。この部屋に宿泊した人の中には、2人の牧史の気をもらったのか、昇進或いは就職成就などの慶事が起こったという人も多くいるそうである。また、琴鶴軒の庭には、雷に打たれた“榎”の木がある。この霊験あらたかな榎の木は、心配事や悩み事などを聞いてくれると言われているため、多くの人々が訪れる。
琴鶴軒は、全羅南道文化財資料第132号に指定されており、KBSの人気バラエティ番組「1泊2日」の撮影が行われたことで全国的に有名になった。この貴重な場所で一夜を過ごすためには、最低でも1~2ヶ月前までに予約をしないといけない。観覧時間は午前9時から午後6時まで、観覧料は無料である。
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